クロウカシス 〜七憑キノ贄〜
InnocentGrey

◇DATA◇
発売:2009年12月11日
DVD-ROM1枚  主人公以外フルボイス
ジャンル:クローズドサークルADV
原画:杉菜水姫
シナリオ:鈴鹿美弥

――白い花は、ただ春を待つ。

民俗学サークルに所属している主人公は、先輩の想子に誘われて、東北地方の山村・七月村にやってきた。
想子は、この地方に伝わる奇妙な伝承を調べたいのだという。

七月村に向かう途中、吹雪に見舞われて遭難しかけていた二人は、通りすがりの馬車に救われた。
馬車に乗っていたのは、この地域を統べる七月家の次女・紅緒。
紅緒は、二人を馬車に乗せ、自宅・・・通称「七憑館」に招き入れた。
七月村の伝承を知りたいという想子に、紅緒は、今夜、七憑館で執り行われる、七月家三女・詩音の結婚式への参加を勧める。
結婚式は、七月家独特の風習に倣ったものなのだという。

花嫁は慣例に倣い、聖堂の棺の中で一晩を過ごす。
何事もなく朝を迎えられれば、婚姻が成立するのだが…。

翌朝、新郎の六曜が無残な姿で発見された。

何者かの殺意が結婚式を破壊し、逃げ場のない館で、人々は恐怖におののく。
犯人は一体誰なのか?この中にいるのか?次に狙われるのは誰なのか…?

総評:7

管理人のお気に入りブランド、InnocentGreyの5周年記念作品。
ホラーや推理を取り入れるのがこのブランドの特徴ですが、5周年記念ということで、敢えて、ミステリーの王道であるクローズド・サークル物にしたんだとか。

しかし、それが仇になってしまった気がしてなりません。
シナリオがイマイチでした。。。
総評7点ですが、システムと絵で稼いだ感じです。

■シナリオ ・・・5点
上記の総評にも書きましたが、イマイチでした。。。

外部との繋がりを絶たれた洋館・七憑館で起こる連続殺人事件を解決し、無事に帰ることがこのゲームの主な目的。
当初の目的は「七月村の伝承を調べること」であり、七月家に伝わる「七憑きの呪い」の謎を解き明かすことなんですが
途中「七憑きの呪い」の存在意義を忘れていました(汗。
殺人が、七憑きの呪いになぞらえたものであったりするのかと思ったら、そうではなく。
七月家の情報提供者の位置付けにある紅緒ですら、大した内容を知っておらず。
最初に七つの呪い(の文のみ)を紹介して、その後しばらく、シナリオには出てきませんでした。
呪いのそれぞれが何を意味するものなのかがわかるのは、後半、犯人が明らかになる頃に一気に説明される感じでした。

まぁ、そういった細かいところは別にいいとしても、何より気になったのは内容の薄さと、エロゲにすることの無理さ。
「3日後には定期便が来る」ために、事件はそれまでになんらかの結末を迎えなければならない。
だからなのか何なのか、ルートによっては、突然、犯人が自首してきて驚いた。動機もあいまいだし。
そして、会って数日の女性と関係を持つため、エチシーンへの展開がかなり苦しい。
欲求不満な人が多いだけじゃないかと思ってしまった。
想子に限っては、前からの付き合いがあるので、お互いが好意を持ってても不思議はないんですが
「そこでそういうこと言う!?」とか「今、そんなことしてる状況!??」みたいな感じ。
そして、あなたのことが大切ですみたいなことを言った後で、流れに任せる感じで他の女性と致したりね。。。
なんだか、ちょっと。

シナリオは、大まかな流れは同じですが、ルートによって犯人が異なります。
エンディングは全部で18種類。
自力で全部見れた方、尊敬します。
推理物の当然の流れ(?)として、主人公が死んでしまうバッドエンドもありますが、これまでのイノグレの作品に比べると
随分バッドには行きづらい気がします。それなりに選択肢を選んでいけば、たぶん、館から脱出できます。
これまでのイノグレ作品と違うといえば、作品の雰囲気自体が、随分普通な気がしました。
普通の殺人事件というか…。トリックも、動機も、よくありそう。
コ○ンとか金田○少年とかが取り組んでいそうな(笑)
今までは「狂気」がテーマな印象があったんですけどね。

“よくありそうなトリック”と書きましたが、トリックが明らかにならない殺人もありました。
全クリ後にシナリオの達成度を上げるために再プレイ(攻略サイトに掲載がない分)したら、あるひとつの殺人のトリックが
明らかになったので、他の殺人についてもどこかで説明されてるのかもしれませんが…シナリオを100%にする自信がない。
そんな私は、攻略サイトを参考にした分も合わせて、現在75%です。
取ってあるセーブを活用すれば、もう少し上げられそうだとは思ってるんですが
ほぼ既読スキップだろうなぁと思うと、なかなかやる気が起きなかったりして(汗
【追記】--------
レビューアップ後、ルート回収に取り組んで判明したこと→TRUE到達後は、犯人視点のシナリオが読めるようになります。
なので、殺人のトリックは大方判明します。(私はあと2つ、まだ読めてないのがありますが;)
いろいろ分岐を回収した結果、達成率は86%まで行きました!しかしここでギブ。
--------------

エチは、先ほど書いた通り、シナリオの中でかなり浮いたパートになってしまっていますが
一応、メインの各キャラ複数回あり。主人公が関わらない、別の男性視点のシーンも数シーンあります。
主人公視点だけど和姦じゃないシーンもありました、そういえば。
最近、主人公視点で和姦以外のシーンがあるエロゲをしてなかったから、ちょっと罪悪感が。。。
こんなだから、なんだか今回の主人公は良い印象がないんだなぁ。
初見は、イケメン主人公だ!と思ったけど、実際にプレイしてみると…ただの性欲が強い学生だったorz
肝心の推理力はどうかというと、自分で聞き込みしてると「解いてる!」という感覚になれますが
攻略サイトを参考にして進めたら、ほとんど捜査や聞き込みをしなくてもOKだったので驚いた。
調べなくても、紅緒が教えてくれたりするんですもん。

■絵 ・・・9点
相変わらず、杉菜氏の絵は好きです。
美少女ゲームの原画家さんとしてはかなりリアル寄りで渋い絵柄を描かれますが、お上手で文句なし。
今回は、あおりや俯瞰で、お尻を強調したイベントCGが多い気がしました。
解像度が横長(1024*768)になった影響もあるのかもしれませんが。
背景は、ほぼ洋館内の画像ですが、各施設が綺麗に描かれていました。

イベントCGは差分抜いて90枚、HCG率54%。イベント数は17。
(GALLERYでは二枠使っているCGでも、差分として数えたものあり)。
グロ描写は、従来のイノグレ作品と比べると、かなり控えめ。流血系のCGは5枚のみです(意外と少ない!)
質は問題なしですが、枚数が100枚に満たないので9点とさせていただきます。

ちなみに、体験版には本編に収録されていないイベントCGが2枚入っています。

■システム ・・・8点
操作性が向上する、重要な修正が出ています。
OHPでパッチをDLしてください。(ダウンロード版には適用されています)

シナリオについていろいろ書きましたが、システム自体はいろいろと凝ったものが用意されていたと思うので
少し高めの8点評価で。(ほぼ、前作『殻ノ少女』と同じですけど)
土台はあるので、これがもっと活用されていれば、シナリオも盛り上がったに違いない!

ゲームは、以下の5種のパートで構成されています。
・セリフ選択式の、通常の「ADVパート」
・移動先をマップで選ぶ「自由行動パート」
・背景CGから証拠を探す「探索パート」
・関係者から情報を聞き出す「聞き込みパート」。
・推理の場面では、物証や人物を選択するパートもあり。

前作では、推理時に手帳の記載内容から証拠を選択する場面がありましたが、
今回の手帳は、あくまでも情報を確認するためだけのもの。
とはいえ、これまでの事件の概要や人物の解説のほか、館の見取り図やルート表があり、重宝しました(特にルート表)。

聞き込みは、会話が出来る人全員に、気になる話題やキーワードについて、全て聞けるようになっているので
自由度が高いといえばそうなんですが、総当りしていくのは相当めんどかったです。
聞いても「それはわかりません」と答えられるものが多いので、その辺は整理(大した情報を持ってないなら話題の候補に挙げないとか)してもらえると嬉しかったかも。(実際にそうだったら、物足りなく感じるだろうか?)

一方、探索パートは、調べられる場所のみカーソルが変化するようになっており、前作から改善されたなーと思いました。

また、今作の難易度を上げているであろうシステムに、時間制限があります。
探索や聞き込みは時間制限がないので、総当りでも別に良いのですが、
自由行動には時間制限があります。
といっても、時間が足りないから困るとかではなく、どうやら、ルート分岐のきっかけになるイベントの発生時間が
限られているようであること(攻略を見ながらプレイして気付いたのですが。)
それがどうもかなり細かい、1分単位で決められているっぽいので、自力で目当てのEDにたどり着くのはかなり難しいのではと。。。

難しいといえば、TRUEにたどり着くために、あるアイテムを3つ見つける必要があるのですが
プレイ1周目(攻略を見ずに、自力でプレイ)に、全部見つけられたのにはささやかな満足感を感じています(笑)
調べられるところは徹底的に調べて、話せる人とはできるだけ話すのが私のモットーですからね!
ただ、見つけて、その後でもらえるアイテムも手に入れただけで、TRUEには行けなかったんですけど(ぁ

セーブ数100。クイックセーブなし。
セーブ日付・時刻、ゲーム内日付・時刻、現在地の記録、
セーブ時のメッセージを14文字表示(選択肢の場合は「選択肢」と表示)、サムネイル付き。
前作のレビューにも書きましたが、推理物はセーブ数100でも多いとは思いませんね。

これまでの作品で、キーボード操作でのバックログ表示が、他社でよくあるキーとは異なっていて苦労していたんですが
ついに今回は、キーボードではログ表示が出来なくなったようです(涙)

イノグレ名物の音声チェックは「星座占い」
キャラクターごとに一つずつ星座を担当して、占いを話すというもの。
内容はそれほど凝ったものではないんですが、「その他」の声が彼なのがオチ、というところでしょうか。

■音楽 ・・・6点
音楽担当は、イノグレ作品では毎度おなじみLittle Wing。
イメージテーマ『Snowdrop』を歌うのは、やはりお馴染み霜月はるかさん。
もう一つ、ボーカル曲は詩音役の優稀澪さんが歌う『Linaria』があります。
ただし、鑑賞モードにはいずれのボーカル曲も登録されません。。。
なので、実は『Linaria』がどんな歌かわかってないです。スミマセン。詩音が歌う、あの歌かしら?
サントラには収録されております。

ゲーム中BGMはピアノ曲が多め。その他ギターやバイオリンなど、アナログ楽器音の曲が多かったです。
昭和初期のお話のようなので、レトロ感漂う曲や、落ち着いた曲がよく合います。
総曲数は26

綺麗な、耳に心地よい曲が多くて良かったのですが、それほど印象的なものがなかったのでこの点数とします。

■総評 ・・・7点
意外と高得点になってびっくり
…というくらい、シナリオに関しては評価が低いです。残念!
ただでさえ、サスペンスやホラーと和姦メインなエロゲを組み合わせるのは難しいと思うのに
それが、限られた時間の下でのことだったので、無理があったんでしょうなぁ。
エロ以外の部分にしても、普通っぽかったり、描写不足感があったりしましたからね。
捜査&聞き込みがほとんどで、ヒロインとの通常会話が少ないのも一因でしょうか。

独特な雰囲気で良作を作ってくださるブランドとして期待&応援しておりますので、また次回、よろしくお願いします!

■お気に入りキャラ:想子
            ちょっとハテナマークを付けたくなるような、微妙な選択ではありますが想子をチョイス。
            通常会話がもっと多くて、先輩の人となりをしっかり知れていれば、自信を持ってお気に入りだと
            言えたと思うのよ!

            はてさて、いろいろと設定をお持ちの想子ですが、その容姿や性格が好きだったので。
            なんであんなにコーラが好きなんですかね?親の影響?特に理由なしでしょうか(汗。
            さっぱりした性格といえばなるみも嫌いじゃないんですが、ややエロ担当の傾向があったので、
            お気に入りには選ばないことにしました(^^;

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2011.05.22

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