ef - the latter tale.
minori

◇DATA◇
発売:2008年5月30日

DVD-ROM 1枚 フルボイス
ジャンル:インタラクティブ・ノベル

原画:七尾奈留、2C=がろあ
シナリオ:鏡 遊、御影

―おとぎ語は、ひとつじゃない。

かつて、震災と大火に見舞われた町、音羽。
復興した今は、ここが日本であることを忘れそうなくらいの西洋風の町並みが美しい都市だ。

その町の、とある教会で。
火村夕は、遠い昔に別れた女性が人を待っているという情報を得る。
半信半疑で教会に向かった夕だったが、確かにそこには彼女…優子がいた。
彼女と離れていた数年の間に、夕は多くの経験をした。
そしてその中で生まれた出会いが、今、優子と再会するという奇跡を作り上げた欠片でもある。

夕は、この町で出会ったある若い男女の物語を静かに語り始める。
優子が語ってくれた音羽の物語とも繋がりのある、また別の音羽の物語を。

総評:8

二部作となる『ef - a fairy tale of the two.』の第二部。
群像劇・映画的な演出といった、一般的なギャルゲーとは一線を引く作風が魅力的な作品でした。
第一部の『ef -the first tale.』とはまた一味違う、奥深さを見せてくれた作品でした。

■シナリオ ・・・8点
前作に引き続き、大きく3章に分かれた構成で、それぞれで主役が変わります。
また、群像劇であることも同じですが、前作に引き続き登場するのは、夕、優子、ミズキの3人のみ。
メインヒロインの千尋が、前作のメインヒロイン景の双子の妹という繋がりはあります。

シナリオは第3章、蓮治と千尋の物語からスタート。
小説が好きな蓮治と特殊な障害を持つ少女、千尋との恋愛を描きます。
第4章は、前作から引き続きの登場となるミズキと、ヴァイオリニスト・修一の物語。
最終章は、前作からストーリーテラー的に登場した夕と優子の物語。少し前の音羽の物語。

前作は「人間くさいお話でした」という評価をしたefですが、
今回は、efの製品宣伝から受けるイメージそのままという印象でした。
キーワードを挙げるとすれば、「希望」「幸せ」「命」「運命」「奇跡」といった感じでしょうか(神々しい!)。
決して王道ではない、どちらかというと悲しい展開を辿るストーリーもありますが
だからこそ、ライターさんが描きたかった物語を描けているのではないかな?と思いました。
世間への媚びを感じない、良いシナリオだったと思います。
とはいえ、個人的には、優子の過去の出来事はちょっとベタというか…あんまり好きな展開ではなかったです。
「痛い過去といえばこれでしょ!」という感じで突きつけられて、しかもそれを誇張する語り草。
それが優子の思いゆえとはいえ、ちょっとなぁ。
優子シナリオの終わり方は良いと思うので、否定気味なのは過去の部分のみですよー。

痛々しい場面や爽やかな場面、泣ける場面、考えさせられる場面、いろいろありましたが
それぞれに物語を紡いだ10人が、ある部分ではしっかりと繋がっていて、
綺麗に組み上げられた群像劇でした。
最後に明かされる真実は、予想外で衝撃的でした。
イマイチ、この事実に行き着いた理由に納得できませんでしたが。。。(私の理解力不足?)

どうでもいいですが、千尋の障害について知った後、いろんなメディアで同じ障害を扱う作品を
数作ばばばっと見まして…この障害の存在を世に広めたのは某映画なんです か?
私はefで初めて知ったので、最初「そんな劇的な障害、あり得るの!?」て思いました(^^;
失礼しました。。。

■絵 ・・・8点
原画は七尾奈留氏と2C=がろあ氏。
前作に引き続き、塗りが丁寧で綺麗なCGでした。
ほぼ全てのCGの照度がかなり強く、絵が消えかけている部分が多々あるのは相変わらず。
パース狂いの背景があること、その他の背景がとても綺麗なのも同様。
この項目に関しては、前作の評価そのままですね。特に変わった点はありません。

イベントCGは、前作同様独断的なルールでカウントした結果…差分抜いて324枚、HCG率8%。イベント数は5。
カウントルールが曖昧な上に、前作からの流用もあるので、正確性についてはご勘弁願いたいのですが
結構な枚数があることは確か! 映画的演出はバッチリでしたよ。

■システム ・・・8点
システムも前作から何も変わらないんで、コピペでいいっすか。。。(ぉ
今回は、大きなバグはないようです。私は、サポートページは未ログイン。

シナリオを進めるシステムは選択式ADVですが、選択肢はほとんどありません。
立ち絵が少ない映画的演出で、イベントCGの多数採用、もしくは背景の中にキャラを描いて表現します。
ほぼ常に目パチ口パク、要所で入れられるオート部分、EDムービー等、とても凝った演出でした。
前作よりも更に、「ここは立ち絵かな?」て思うシーンが少なかった気がする。
これほどの演出レベルは、他ブランドではしばらく無理なんじゃないかなと思う、minoriの意地を見た感じです。
ちょっと表現方法が違うとはいえ、戦えるのはアージュのAGESぐらいか。

セーブ数90。オートセーブは枠が10ありますが、実際には1枠しか使われません。。。何のための10枠;
(2011/05 訂正)→オート1枠、クイック9枠でした。失礼しました。
表示はセーブ日付・時刻のみ、コメント記入は可能。サムネイル付き。結構判り辛い部類。
メイン画面にはアイコンはゼロで、一度右クリックでメニューを表示させるか、ウィンドウ右下にマウスを持っていくことでポップアップ。
バックログの表示は矢印キーでできたので、操作性は良かったです。
バックログといえば、文字のログが読めるだけでなく背景やCGまで見直せるのはすごいし便利でした。
ログの音声も自動再生するしなー(←これは、設定でON/OFF設定可能)
→と、前作では思って、確かにすごいと思ったんですけど、かなり前のシナリオを読み直したい時には
 とても使いづらいシステムですね; 1〜2行ずつ読み直さないといけないので;;
ちなみに、どのセーブからでも、プレイ開始となる第3章冒頭まで読み直すことが出来ます。

今回は、スキップ動作に問題は感じませんでした。

CVさんは…皆さんお上手なんですが、エチシーンが異様に騒がしい気がします(ぇ
なんというか…声の高いCVさんを採用されているので、喘ぎがとっても騒がしい。
無駄にそういうセリフ(?)が多いのかもしれない。
個人的には、脇役ですが三咲さんが出演されてて、嬉しかったです。やっぱりお声が好き。
出演されてることを知らなかったので、最初に声を聞いたときは「あれ!?」と嬉しい悲鳴。
なお、男性含めフルボイスですが、主役時には男性声はOFFになります。

■音楽 ・・・7点
主題歌はOP『emotional flutter』。歌うのは原田ひとみさん。原田氏がED曲『ever forever』も歌われています。
CDはオリコン初登場順位もすごく良かった(デイリー21位、ウィークリー32位)という、評価の高い楽曲になっております。
前作に引き続き、新海誠氏が監督を務められたデモ(兼OP)ムービーの出来が大変良く
主題歌との相乗効果でプレイ前に気分を盛り上げてくれます。
(ただ私は、曲もムービーも前作の方が好き(^^;)
BGMはピアノ曲が多め。それに加えて今回は久瀬のキャラもあってか弦楽器(ギター・バイオリン)曲もちょこちょこ。
テンポの良いゲーム風BGMもありますが、全体的に品のいいBGMが揃っていました。
作品の雰囲気に合っていて良かった。曲数は40+主題歌2。(ただしOP/EDともに回想には記録されません。)

■総評 ・・・8点
前作ほどキャラにクセはなく、素直なハッピーストーリーではなかったけれども面白かったです。
演出が凝っているのも相変わらず(今回は更に、EDムービーもすごい。TVアニメの担当さんが関わってるのかな?)。
前作では語られなかった優子と夕の物語もしっかり語られて、登場人物それぞれの繋がりもわかって、すっきり。
今作プレイ後にもう一度、前作を読み直したくなる物語でした。
ムービーだけでも、見直すと「おぉ」と思うので、読み直したらいろいろ気づく点がありそうです。
レビュー書くために第3章の終わり〜第4章の始まり部分を読み直したんですが、それだけでも
プレイ後だからわかる「そういう意味だったのか」が結構ありました。

全てを読み終えてみると、サブタイトル「 a fairy tale of the two」のtwoに込められた意味が複数あることに気づいて、
その辺りからも、作りこまれた作品だな!と思いました。
余談ですが、タイトルといえばTVアニメのサブタイトル「a tale of memories/melodies」も、ゴロ合わせだけのようかと思いきや
ちゃんとそれぞれで語られるシナリオに合わせてあるということがわかって、上手いなぁと思いました。

■お気に入りキャラ:ミズキ
             前作では優子だったんですが、今回はミズキで。
             優子は、意外と人間臭かったというか、思ってたより感情的でしたね。
             それよりも、前向きに今の自分と向かい合い、未来を切り開いていこうとするミズキが素敵だと思いました。
             シナリオとしては最終章になるんですけど、久瀬を立ち直らせる場面、すごく良かった!

■お気に入りシナリオ:Final Chapter
              つまりは最終章、優子ルートですが。
              優子と夕の物語が良かったというよりは、いろいろな伏線を解き明かしてくれて、
              読み甲斐があったシナリオという点で評価しています。
              第4章の結末もこっちに含まれているようなものですしね。

2008.10.18

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