FORTUNE ARTERIAL
オーガスト

◇DATA◇
発売:2008年1月25日

DVD-ROM 1枚 主人公以外フルボイス
ジャンル:学園ADV

原画:べっかんこう
シナリオ:榊原拓、内田ヒロユキ、安西秀明

―首から血を吸うなんて、今時エレガントじゃないの

転勤族の家庭に生まれた主人公、支倉孝平は、この度、20回目の転校を果たした。
でも、今回の転校は今までとは違う。
新しく通う「修智院学院」は全寮制のため、もう、父親の転勤に振り回されることがないのだ。

すぐに転校するとわかっていた今までは、積極的に友人を作ることもせず、思い出らしい思い出ができなかった。
でも、今度こそ、自由な学生生活を送って、今まで得られなかったものが得られる。

そんな孝平の思いが確信に変わったのは、修智院学院で最初に出会った少女、瑛里華の考え方だった。
学院の副会長である瑛里華は、学生が学院生活を楽しめることをモットーとして、学院の運営に当たっていた。
充実した学院生活が、孝平の未来には広がっていた。

ただ、学院生活には、予想外の展開が待っていた。
瑛里華は、吸血鬼だったのだ。

総評:7

前作『夜明け前より瑠璃色な』(以下「けよりな」)が大変良かったので、続く今作も買ってみました。
正直、前情報のStoryとかだけではそんなに惹かれなかったんですけど(汗。

結果、シナリオはちょっと期待はずれだったかも。
けよりなプレイが随分前で、やたらと良いイメージだけ残っちゃってたのかもしれませんが…。
絵、音楽などはしっかりと作りこまれていたと思ったので、総評の点数は、割と良いです。

■シナリオ ・・・6点
総評にも書きましたが、ちょっと物足りず期待はずれでした。
シナリオ構成としては、各ヒロインの個別ルート全クリア後に、TRUEシナリオが解放される形式
あと、各ヒロインED後に、対応するヒロインのおまけシナリオ解放。
全クリア後に、ちょっとしたおまけ(ボイスなし)あり。

最後にTRUEがあるため、個別ルートでは完全には解決しないままに残される設定もいくつかありますが、
大抵のルートは、個別ルートのみでもそれなりに締まっていました。
瑛里華だけは、締まってないというか、あっさり終わりすぎて「TO BE CONTINUED」な雰囲気が濃いですw

物語の一番のポイントは、「思い出を意識的に作ってこなかった主人公」かなと思っています。
それゆえに、修智院学院での生活が魅力的で、過去の、貴重な思い出である悠木姉妹の存在も大きくなる。
あと、オーガストのシナリオの特徴かもしれないと思うのは、ルートごとに、主題が大きく変わってくる点。
瑛里華・桐葉のルートは、この作品特有の「吸血鬼」が非常に大きなテーマ。
白は、名家のしきたりに縛られた状況下での恋愛、
悠木姉妹(かなでと陽菜)は、幼なじみ・姉妹愛。陽菜は過去の思い出、寮長であるかなでは、寮がらみのイベントも多め。
TRUEは、吸血鬼と、あとは親子愛、家族愛ですかねぇ?

言ってしまえば、白と悠木姉妹のルートは、この作品の売りポイントであろう「吸血鬼」が絡んでこないため
平凡感が拭えませんでした。
ただ、この3名も、瑛里華や吸血鬼と無関係ではないので、TRUEルートで解決されることがいろいろあるんですけどね。
個人的には、もっと、全体的に特有の雰囲気を出して欲しかったです。
だから、期待はずれだと思ってしまった。
桐葉ルートとTRUEは、良かったと思ってます。
かなでと陽菜のルートも、普通の学園ADVだと思えば、悪くはない。

期待値が高くなってしまってたんですね。大手ならではの難しさかもしれません。

さて、個別ルートの評価がそれほど高くなかったので、TRUEに期待してたんですが…
うーん、まぁ、こんなもん?(ぇ
伝奇的な設定は、ほぅほぅと思いながら読んでたけど、説明っぽくなりすぎてたかも。
(読みながら、頭の中で整理するのがちょっと大変な感じ)
たぶん、感動的なラストなんだと思うけど、感動という意味では、かなでルートのほうがじんわり来た。

エチイベントは、各ヒロイン、本編ルート内で2〜4回、おまけシナリオで1〜2回。
本編ルート内かおまけかの差はありますが、各ヒロイン、計4回という感じです。(合計19シーン)
それほど変わったシチュはないけど、エチメインの作品ではないので、十分な量かと思います。

■絵 ・・・9点
原画はべっかんこう氏。
絵柄的に、ちょっと古い感じが否めないものもありましたが、まぁそれは画風なのでよしとして。
細やかな書き込み・彩色丁寧というオーガストの本領発揮で、高めの評価に致しました。
CG枚数は多くはないんですが、質が高いということで。
(100枚を基準にして多い・少ないを論じるのは、今後は控えめにしようかとw)
背景もものすごく綺麗でした。
ここまで綺麗な背景、久しぶりに見たなという感じ。

イベントCGは差分抜いて89枚、HCG率46%。イベント数は19
ちなみに、CG鑑賞に登録されるCGはもっとあるのですが、回想用のラフ画っぽいものや、キャラ絵を含まないCGは
ノーカウントとさせていただきました(対象枚数30枚)。大量の立ち絵も、もちろんノーカウント。

■システム ・・・7点
基本的なセリフ選択式ADV+行き先選択。
オートモード、スキップ、バックログでの音声再生等、基本的なシステムは完備。
特徴的なのは「クイックジャンプ」機能かな?
バックログで、任意のセリフを選択すると、そこからもう一度再生できるというもの。
声を聞き直したくて、うっかりセリフを選択すると発動しますw
(「クイックジャンプを実行します よろしいですか?」の確認が入るので、操作ミスは防がれてます)
ボイスの聞き直しは、セリフ横、キャラ名下の「VOICE」ボタンで行いましょう。

セリフ選択がありますが、個別ルートに入る要となっているのは行き先選択。
ただ、これが「分岐エリア」という、シナリオのある一部で一気に連続して行われるので
フラグ考えるのがめんどくさかったのか?と思ってしまいました。

セーブ数は標準80で、クイックセーブ3。
クイックセーブが複数あると、ちょっとした時に助かりますね。
標準セーブに記録されるのは、プレイ日付・時刻と、セーブ時に誰のルートを進んでいるか。
必要最低限の記録で、ゲーム内日付の記録がないですが、どのルーと進んでるかわかれば良い(寧ろ、
それだけでいいかも)ので困りませんでした。
サムネイルはセーブごとに一覧で表示される形式。

あと、オーガスト作品で良いなと思うのは、キーボードだけで、セーブ・ロードなど大方の操作が出来ること。
最近は、私もあまり使用しないのですが、キーボードメインで使ってたけよりなプレイ時には結構使ってたので
キーボードプレイ派にはとても使いやすいのではと思います。

■音楽 ・・・7.5点
音楽制作担当はActive Planets。
ピアノ曲が多い印象はありますが、各シーンに合わせた、十分な量のBGMが用意されていました。
ボーカル曲がとても多いのも特徴かな?
曲数は、BGM41曲+ボーカル6曲。
曲数が非常に多いので、評価点数は、やや上げました。
が、それほど「お気に入り!」という曲は私はなかったです(^^;

OPやデモで使用されているイメージソング『It's my precious time!』(歌:Mizuho)。は、楽しい学園パートをイメージさせる曲で
作品の前半にはぴったりな感じですね。
その後、シナリオの雰囲気が変わっても、挿入歌やEDで違う曲調の曲を用意されているので違和感はなし。
ボーカル曲のみ、一覧を書いておきます(上記イメージソング以外)。
・『扉ひらいて、ふたり未来へ』歌:Mizuho (バラードアレンジ版を、別に1曲とカウント)
・『赤い約束』歌:Veil
・『Pure Message』歌:真優
・『ひとしずく』歌:ちっち

■総評 ・・・7点
期待に応える作品作りって、難しいんだろうなと思いました。
大手になれば、プレイヤーが多く、好みも人それぞれでしょうからね…。
実際、この作品も。発売した年のげっちゅのランキングでは、総合1位なんですよね。
ギャルゲ・エロゲを楽しむには、私がちょっと年を取りすぎたかもしれないと思う今日この頃。。。
(ありがちな感動系シナリオでは、素直に感動できなくなってきたというか/汗)

それでも、ある程度の点数を維持したのは、さすがのオーガストクオリティ。
土台がしっかりしていれば、シナリオがいまいちだったユーザーに対しても、ある程度評価されるという、良い例?

最後に、どーでもいいですが、「FORTUNE ARTERIAL」てどういう意味だろうw
ARTERIALという単語は今まで知らなかったけど、形容詞なんですよね。
形容詞が語尾に来ると、変な感じw
まぁ、なんとなく、雰囲気デスヨネ。

■お気に入りキャラ:桐葉
             出ました、管理人のクールビューティー好き。
             人気投票1位の陽菜は、いい娘だけど、女の子っぽすぎるかな。男性には受けるんでしょうね。

■お気に入りシナリオ:桐葉ルート
              最もこの作品らしく、それなりに盛り上がり、まとまっていたため。
              普通、TRUEルートがある作品はTRUEが一番になる傾向が強いのですが、
              想定外のまとめ方にはならず、物足りなさ感があったTRUEよりは、かなでルート・陽菜ルートのほうが好きです。

2011.02.27

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