和み匣
Innocent Grey



◇DATA◇
発売:2007年4月6日
DVD-ROM 1枚 フルボイス
ジャンル:ファンディスク

原画:杉菜水姫
シナリオ:鈴鹿美弥

――春は目醒めの季節。そして別離の季節―――

InnocentGreyがこれまでに発売した『カルタグラ』と『PP -ピアニッシモ-』のキャラが集うファンディスク!
ショートストーリー3本、ミニゲーム2本が収録されている。
ショートストーリーは、『カルタグラ』の後日談である『サクラメント』と過去話である『凛 -雪に咲く花-』、
そして2作品からのキャラが入り乱れるコメディ『いのぐれっ!』。
ミニゲームは、ポンジャンとたこ焼きゲーム。

ショートストーリーで本編の無念を晴らし、ミニゲームで熱くなれ!

総評:6

処女作『カルタグラ』、第2作『PP -ピアニッシモ-』と迷わず購入し、贔屓にしているブランドInnocentGreyが放つファンディスク。当然買いでしょ!というわけで購入。
結果、もう少し内容が濃くても良かったんじゃないかな?と思う出来でした。

◇ショートストーリー1 『サクラメント』◇

『カルタグラ』のTRUE END後を描いた物語。
TRUE END後から2年間眠ったままだった由良が、静かに病床で目を覚ます。
彼女の頭の中にあるのは、愛しい秋五のことだけ。
秋五に愛されたい… 秋五が欲しい…
そのためには、忌々しい妹、和菜を殺さなくてはいけない…

灰色の瞳に妄執と狂気を宿して、由良はその手にナイフを握る。

■シナリオ ・・・6点
由良様大活躍のシナリオかな?と思ってたんですが、思ってたより和菜寄りなシナリオでした。
その割には、和菜エンドも何か満たされない感じはしますけど;

SSという位置付けなので仕方ないとはいえ、長さがないのであまり奥深さはなし。
探偵としての秋五の活躍は…やっぱりありませんでしたねぇ。
その辺は、やはり七七と冬史が担当のようです。

「ファンディスクで、ファンサービスとして書いた」というよりは、「本編で書ききれなかった本当のエンディングを
書いた」感じでした。とりあえず、決着が付いて良かったのかな。
シナリオ担当が本編とは違う方なのですが、それほど違和感はなかったです。
ただ、由良ファンはもっと由良!ていうのを求めてたんじゃないかな?と思うので微妙な点数。
思ってたよりもグロっぽい描写があったことは、カルタグラらしくて良かったです。

◇ショートストーリー2 『凛 -雪に咲く花-』◇

戦争が終わり、身内をなくして行き場を失っていた少女は、一人の女性に助けられる。
女性の名前(源氏名)は雨雀。上野で、遊郭「雪白」を経営していた。
少女は雨雀から「凛」という源氏名をもらい、雪白で生活することになった。
けれど、今までに客を取ったことはない。雨雀も、別に強要はしてこない。
雨雀への恩返しとしてちゃんと働きたいと思ってはいたが、まだ男性経験のなかった凛は、勇気が出せずにいた。

そんなある日、他の遊女に混じって店先に立っていた凛に、声がかかった。

■シナリオ ・・・6点
『カルタグラ』の人気キャラ・凛が、雪白で初めて客を取った頃のお話。
エロ担当と言われているだけに、さすがにイベント数は多かったです。
和み匣に収録されている総イベント数は25ですが、なんとそのうち19が、このSSで描かれてます
やるな凛。
私は凛が好きだけど、別にエロ担当として好きなわけではないから、こんなになくても良かったんだけども(^^;

凛の初々しさが出せたら…というライターの思いがあったようですが、残念ながらそういうのは別に感じなかったかな。
そりゃ、テクニックがないことは初々しいことなんだろうけど(笑)、そういうことじゃないっすよね。
本編で凛が一番お気に入りだった理由は彼女の可愛らしく、思いやりのあるキャラクター。
ただの遊女ではないという優しさは感じられたけど、本編のようなきゅんきゅんシナリオではなかったです。

◇ショートストーリー3 『いのぐれっ!』◇

お嬢様学園として名高い、私立華陽学園。
ここに、一人の少女・栞が転入してくる。
長く美しい黒髪をたなびかせる彼女の様子はどこかミステリアスで…実際、謎の多い少女だった。

一人静かに生活したかった栞だが、なぜかうるさくクラスでも目立つ七七に気に入られ、
七七の友人の楼子と共に、KOF団とかいうものに入団させられてしまう。
何でも、学園の七不思議を解くことが目的らしいが…。

■シナリオ ・・・4点
カルタグラとPPのキャラが登場するお祭りSS。
ジャンルとしては「コメディ」とされていますが、本当にその通り…大したオチもないほどの馬鹿シナリオです(ぇ。
ちょこちょこと小ネタの仕込まれたシナリオなんですが、なんか馬鹿なことをやって「あれ?終わり?」みたいな。
ファンディスクじゃなかったら許されないシナリオですよ…;。
でも、元々カルタグラやPPのキャラはシリアスシナリオで活躍していたキャラ達なので、
そのギャップや「意外とはまってる!」というところが楽しめます。

一応、最終的なオチとしては栞のある秘密が解けることなんですが…
うん、それほど衝撃じゃなかったなぁ。なんでだろ(^^;

馬鹿シナリオは好きですが、あまりに内容もオチもなかったのでちょっと厳しめのこの点数。

■絵 ・・・6点
カルタグラ発売当事とはグラフィックチーフが担当変更になったとはいえ、やはり美しいイノグレの絵。
杉菜氏の絵柄は、カルタグラの頃より綺麗になったなーと思いました。
しかし、残念ながら今作は数が少なかった!
いくらファンディスクでも、もうちょっとあっても良いのではと。
HCGはほとんど凛で、ミニゲームではゲスト作家のイラストしかもらえないってのは
イノグレファンとしては物足りなかったです。

立ちグラはほぼ新規書き直しとなっています。この辺の丁寧さは評価したい。

イベントCGは差分・ゲストイラスト抜いて34枚、HCG率72%。イベント数は25。
CGの割にイベント数が多いのは、使い回しが多いから。
また、シナリオ上は1シーンでも、いわゆる「第○回戦」ごとに1シーンとしているので数が多めです。
最後のシーンなんて、何回あったんだか、みたいな(爆)
とりあえず、エチは凛がほとんどで、その他のキャラは大したエチシーンじゃないんで(男が秋五一人しかいないし)
エロにはあまり期待しない方が。

ミニゲームをクリアするともらえるゲストイラストは全10枚。
いろんなテイストのイノグレキャラが見られます。

■システム ・・・7点
オーソドックスな選択式ADV+ミニゲーム。
セーブ数はショートストーリーごとに60。クイックセーブ・ロードはなし。
ミニゲームは任意の場所でのセーブが出来ず、1対戦ごとにオートセーブとなっています。
セーブ日付・時刻記録、サブタイトル表示、サムネイル付き、コメント入力可。
基本的にカルタグラのシステム画面を継承しており、シンプル且つ可愛いシステム周りのデザインが印象的でした。

キーボードでバックログが表示できず、不便!
…と思ってたんですが、自分で書いたPPのレビュー見て再発見しました(爆)。そうか、判りづらいんだっけ。
未来の自分のためにメモしておこう。バックログは[←]キーで表示可能!
よく使うコマンドはワンクリックで呼び出せるので不便さは感じません。

気になったのは、SSではいのぐれっ!のアイキャッチ。
スキップできないくせに結構長い演出なので鬱陶しかったです
あとは、ミニゲームでは任意の場所でのセーブができないことかな。
まぁ、それはオートセーブだからいいとしても、1回クリアしたキャラを選択して戦う場合は、
そのキャラだけ倒したらまたメニュー画面に戻って欲しかった。
1回始めるとまたシナリオを辿ってしまうので、好きなキャラと好きな順で、というプレイは出来ずちょっと不便でした。

操作面は上記の通り。でもまぁ、純マウスユーザーなら問題ないかと。
ミニゲームは思ってたより地味だった(特にポンジャン)けど、そこそこ楽しめたからまぁいっかという感じ。←甘い評価w
たこ焼きゲームは、ハマると結構熱いっす。
理不尽な必殺技にちょっとイラついたりしますけどね。
これで、もらえるイラストが杉菜氏の絵やHCGだったりしたら、もっと熱くなるプレイヤー、増えたんじゃないでしょうかね。

毎度おなじみイノグレ名物の音声ボリュームチェック、今回はそれほど凝ってはいませんが、楽しめました。
個人的にお気に入りなのは、酷すぎる冬史のコメントです(笑)

■音楽 ・・・7点
音楽担当はLittle Wing。
主題歌はサクラメントテーマ曲に『LUNA arrange ver.』(歌:霜月はるか)、
いのぐれっ!ED曲に『恋鍵』(歌:風音&うえおかあい)。
前者はPS2版カルタグラのテーマソングをアレンジしたもので、切ない雰囲気が良い感じ。
後者は明るい雰囲気で、イノグレらしくないけど、結構かわいらしくて好きです。
なお、付属のサントラにはこの『恋鍵』から派生した、風音さんver.の『鍵をさがして』とうえおかさんver.の『恋の心は謎だらけ』が収録されてます。
また、ボーカル曲としてはカルタグラのサントラ用に書き下ろされた『硝子の月』(霜月はるか)もED曲として使われています。
EXTRAに登録される曲は全36曲ですが、うち『カルタグラ』から22曲、『PP』から5曲となってます。
しっとりした雰囲気の曲が多く、好みでした。イノグレは音楽もいいんですよねー。
でも、新曲は9曲(『恋鍵』のアレンジ2曲を入れたら11曲)なのでちょっと少ないかなぁ。FDってそんなもんですか?

■総評 ・・・6点
思ってたほど内容がなかったというのが、一番惜しい点。
値段の割に薄い内容だったのではないかと。和紙仕立ての小箱パッケージは可愛かったけども。
「InnocentGreyファンディスク」という割に、カルタグラに偏り気味なのはどうかな?とも思いました。
綾音、出てるとはいえ何か扱いが悪い気がしましたよ(^^;
どうせなら、「カルタグラファンディスク」にして、初音も出していいんじゃないかと。
PPも含めるなら、もっと綾音や美華夏を活躍させて欲しい。こっそりお気に入りな葵が出てきても嬉しかったかなぁ。
SSを用意された上月姉妹と凛以外は大したイベントがない(冬史なんて、味噌キャラで終わり)なのも残念!

とりあえず、過去2作品(特にカルタグラ)プレイは必須なので、いきなり和み匣から始める事はなさらないように。
ネタバレ満載な上に、第一、本編知らないと楽しめないですよ〜。

2007.04.17

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