シンフォニック=レイン
工画堂スタジオ

◇DATA◇
発売日
初版:2004年3月26日
愛蔵版:2005年6月24日
DVD-ROM1枚  フルボイス
ジャンル:ミュージックADV
原画:しろ
シナリオ:
キュートロン / 西川真音 / 松園浩史

<一般作品>

流れてくる音符に合わせてキー入力するアクションパートが特徴的。
全編を彩る優しい楽曲が、物語を盛り上げます。
シナリオが評価され、根強いファンを持つこの作品は、発売から1年強後に
システムを強化し音楽CD・絵本等がセットになった愛蔵版が発売されました。

雨――いつまでも、止むことなく降り続ける雨。

雨が一年中止まない街、ピオーヴァ。
クリスは、この町にある音楽の名門校、ピオーヴァ音楽学院に通っている。
彼が専攻するのは、特別な能力を持つ者しか弾けないといわれるフォルテール。
フォルテールが弾けるだけでも稀有なことなのだが、クリスはその技術を評価されている優等生でもあった。

クリスは、恋人であるアリエッタを故郷の街に残し、アリエッタの双子の妹・トルティニタとピオーヴァに出てきた。
現在は学生寮にて一人暮らしなのだが…
クリスの部屋には、同居人がいた。歌の妖精・フォーニである。
まさに天使の歌声と言うにふさわしい声で歌うフォーニと、フォルテールのアンサンブルをするのが毎週の決まりごと。
そして、アンサンブルの前にアリエッタに手紙を書くことも毎週の決まりごとだった。

卒業を間近に控え、卒業演奏で弾くオリジナル曲を作成し、
その曲に歌を乗せてくれるパートナーを探さなければいけないクリス。
もともと友人の少ないクリスは、仕方なくパートナー探しを始めて…

総評:7

ぱっと見はあまり興味引かれなかったんですけど、各所のレビューは評価高め。
お知り合いも高評価を出していたので気になっていたところ、
タイミング良く愛蔵版が発売されたのでそちらを購入しました。

■シナリオ ・・・8点
ゲームは、3人のヒロイン―トルティニタ(以下トルタ)、ファルシータ(ファル)、リセルシア(リセ)それぞれにルートが用意されており、それぞれにGoodとBadのエンドがあります。
が。このそれぞれのシナリオ、Goodと言いつつGoodじゃない
「BadよりはGood?」という感じで、なんとも後味の悪い終わり方なのです。
けれど、この3人のエンディングを見た後に2つの新ルートが発生し、ここで様々な種明かしが行なわれます。
こちらのシナリオを読めば、ほとんどの人は先の3本での不満が払拭され、最後には「良かったね〜」と思えることでしょう。
私も、そう思えた一人です。

3人それぞれのルートは、前半は卒業演奏のパートナーとなるための交流〜実際に練習がメイン。
雨の音が止まない世界で、静かに物語が進みます。
しかし後半、雰囲気が一転。
人間の嫌な部分が見えてきます…。
その嫌な部分を見て、一応乗り越えるんですが「なんだかな〜」なのがヒロインルート。
それぞれ面白いんですけど、後味の悪さが大きくてイマイチ、と思うかも(私は思った(^^;)

追加の2ルートで挽回されますので、諦めずに続けてください。

最終的には納得できる結末で、しかもなんだか心が温かくなる。
こんなにほうっ*とするゲームは初めてだったかもしれません。
シナリオ構成の良さが光り、評価8点とさせて頂きました。
3人のルートは、前半がややだるいのでもう少し何かあってもいいかなぁ。

一般作品なのでエチシーンはありません。
が、明らかにそういった行為をした様子は見受けられます(笑)<@ファルルート
くろねこちーむ初となる描写だったそうで…。
エンディングはGood6つ、Bad3つです。

■絵 ・・・5点

しろ氏の絵は、はっきり言って好みではありません。
鼻がないような幼顔はちょっと…。
しかし好みで点数上下すべきじゃないことはわかってますので…
ほわんとしたやさしい絵柄は、ゲームの雰囲気に合っていたと思います。
フォーニは可愛かった。

でもイベントCGがイベントCGっぽくないというか、どれもキャラとの距離感を感じる構図でした。
もっとカメラ迫って!という感じ。
キャラが引いているのでその分、絵に占める背景の割合が高くなるんですが
この背景がまた、微妙…な感じでした。

イベントCGは差分抜いて45枚。シーン鑑賞はなし(一般向けなので)。
シナリオが長い割に少ないのも、評価マイナスポイント。

■システム ・・・7点
システムとしては、展開(セリフ)の選択、行き先の選択、そしてフォルテ―ル演奏のアクションパートがあります。
行き先選択は、いつもヒロインがいる場所は同じとは言え、どこに誰がいるかわかればやりやすかったかな?
ファルが練習してるのは「一番奥の練習室」だと忘れてて、普通にBad行ってました、一回(^^;

特徴的なアクションパートは、音楽に合わせて音符が流れてくるので、規定の位置で該当のキーを叩くというもの。
コンシューマやゲーセンによくある音ゲーみたいなもんですね。
難易度は3段階から選択。私はeasy(4キー使用)でいっぱいいっぱいでした。
easyでも駄目な方のためにオート演奏モードも選択できます。
(ちゃんと弾けないとGoodエンドに行けません)
けど自分で弾くと、卒業演奏までに自分の上達具合が体感できるので、easyでも自力プレイをオススメ
弾ける曲は10曲用意されており、アップテンポなものからゆったりしたものまであるので飽きません。
自分のハイスコア記録の他、ネットランキングにも参加できるので、ハマると熱いです。

シナリオを進めるシステムは良かったんですけど、補助システム系が使いにくかった
バックログからゲームへの復帰、メッセージウィンドウの消去等の入力キーが一般的なゲームと違うため。
やっぱ右クリックでメッセージウィンドウ消えてほしいです。ぱっとCG見たい時が多いので。
バックログをスクロールボタンや上下キーで見れないのも不便。

セーブ数は100ですがクイックセーブはなく、表示もプレイ日付・時間、ゲーム内日付・時間だけ。
それほど分岐がないのでセーブを分ける必要は少なめですが、
それでももうちょっと使いやすいと嬉しかったです。
その他、演出面では立ちグラのアニメ(目パチ・フォーニの羽)と、背景の街に降る雨の表現。
この辺りは綺麗でした。
CVさんはお上手。
普通に地上波TVアニメで活躍されてる方もいらっしゃいますね。
それぞれのヒロインは設定上歌わなければなりませんが、その歌も良かったです。

■音楽 ・・・9点
音楽担当は岡崎律子さん。
この作品を最後に、病気で亡くなられたそうです。惜しい。
音楽ゲームというだけのことはあり、魅力的な曲がたくさんでした。
ボーカル曲の多さは評価に値しますよね(全10曲)。私のお気に入りは『雨のmusique』『I'm always close to you』
フォルテ―ル演奏が楽しかったのは『秘密』かな。

なお、後半のシナリオの一つである「al fine」をクリアすることでもらえるパスワードを使い、OHPにて追加曲をDLすることができます。
これがまたいいのですな・・・ムービーの最後でじーんとしちゃったよ・・・。

■総評 ・・・7点
シナリオ・音楽はいい。ゲーム性もある。
ただその面白いシナリオは後半にならないとわからない=前半はややだるいということと、
やはり絵の物足りなさ(画風じゃなくて構図の問題)でマイナスしまして7点ということで。
一般向けであるからこそ、シナリオがいいことに意味があるので良い作品だとは思いました。
音楽演奏だけでも楽しめますし。
愛蔵版は特典としてサントラと絵本がついてきまして、サントラはまだ聴いてないんですけど(汗)絵本は面白かったです。ちょっと悲しい飛べない妖精のお話。

■お気に入りキャラ:ファルシータ
            トルタと迷ったんですけど結局ファルで(^^;
            後半の展開でちょっと引いたけど、それはトルタも多少あるし…(愛ゆえに、ですけど)。
            できる女はカッコイイですね(何)
            あー、でも一番はフォーニかも。
            頑張って文字書いてるのとか、棚の上に登る姿とか可愛かったなぁ。
            フォーニの愛の大きさに気づいた時は感動しましたよ。