夜明け前より瑠璃色な
オーガスト

◇DATA◇
発売:2005年9月22日
DVD-ROM1枚  主人公以外フルボイス
ジャンル:月のお姫様ホームステイADV
原画:べっかんこう
シナリオ:榊原拓 内田ヒロユキ 安西秀明 岡田留奈

――月の王国から、お姫さまが
   うちに、ホームステイしに来るって言ったらどうする?

大昔、地球から月へ渡った人々が創り上げた王国。
そんな国のお姫さまが、うちにホームステイにやって来ることになった。

お姫様の名前はフィーナ。
月と地球との交流に尽力を尽くしたことで多くの支持を受けた王女、セフィリアの娘。
やってきたお姫様も、母の名に恥じない美しく聡明な姫だった。

総評:9

作品の評価が高いことは知っていたオーガスト。
べっかんこう氏の絵は綺麗だし、「次、出たら買ってみよう」と『はにはに』後に思ってました。
そして発売された『けよりな』(一般的には『よあけな』らしいが…)。
伊吹、初オーガストです!

■シナリオ ・・・8点
基本はシリアス。
公式サイトで作品紹介を読むと学園モノっぽいんですが、実は学園モノではありません(^^;
学生っぽいイベントに期待すると泣きを見ます。
学園生活は夏休み前のちょっとだけで、基本は夏休みの出来事となります。

最初は強制的にフィーナシナリオしか読めず、それをクリアするとリース以外のヒロインが攻略可能となります。
最後にリースが攻略可能となり、その後さらにフィーナのトゥルー(フィーナシナリオの後日談)が登場。
なので、どう頑張っても最後にフィーナトゥルーを読むことになります。
最初に攻略が済んでいるので忘れかけてしまったお姫様を、最後に思い出せるということ。
フィーナなしでは語れないこの作品で、嫌でもフィーナを意識する構成にしたのはお見事。
フィーナが好きじゃなかったらこの優遇具合に腹立つかもしれませんね。
私は、フィーナ好きなので問題ありませんでした。

各シナリオは共通部分が少なく、個別ルートがかーなり長いです。
そのため、各ヒロインの個人設定を活かしたお話に出来ていると思いました。
そしてそれぞれのシナリオでメインに置かれるテーマもちょっとずつ違うので楽しめます。
ただ恋愛するだけではなくて、自分の将来とか、家族とかいろいろ考えられる。
家族愛を考えるウェイトが高いのも、けよりなの特徴ではないでしょうか。
家族愛は恋愛とは違う重さがあるので、普通のギャルゲーではあまり見られない雰囲気もありました。
それぞれのシナリオで、考えさせられたり納得したり、感動したり。
飽きない良いシナリオでした。
(ミアシナリオと、フィーナトゥルーの前半はちょっとだるかったですが/汗)

気になったのは、フラグを立てるためだけの選択肢がいくつか存在すること。
前のシナリオから続くことなく、突然「そういえば、フィーナやミアはどうしてるかな・・・」と考えて、それで終わり。
考えたなら、それに繋がるイベントがあってもいいのになぁと何回も思いました。むずむずして気持ち悪いです;

最初に、これは学園モノではないと書きましたが、イベントが夏休みイベントで終わればまだ第一印象(=明るい学園モノ)に近いです。
しかしこの作品、いつしか世界観が完全にファンタジー要素を纏い、最終的にはかなりテーマが重くなります
鬱ゲーではない重さ。テーマが戦争や異人種間交流に及ぶのです。
話を大きくしすぎてついていけない感を、正直受けました

エチはメインの各キャラ複数回あり。和姦のみ。
フィーナは最初のシナリオでは1回のみですが、おまけやトゥルーをこなすことで最終的には5つのシーンが用意されています。リースは1回のみ。
各キャラ複数回あって、それぞれで衣装が違います(ミア除く)。その演出は好評価ですが、衣装替えのために、シナリオに無理があったところは気になりました。菜月シナリオでの夕立は、学園制服エチがしたかったために降らせたとしか思えません(^^;
シーンは基本的に長めで、2回戦、3回戦…と続きます。シリアス寄りのシナリオにしてはエチ要素が濃い印象を受けました。

CVさんは皆さんお上手。嫌悪感を抱くような特殊な声質(笑)の方もおらず、非常に聞きやすかったです。

■絵 ・・・10点
べっかんこう氏の絵柄は大変綺麗でした。
書き込みが細かめで、丁寧な印象を受けます。
通常のCGの他、等身を低くしたコメディタッチのCGも所々で入ります。
背景も綺麗でした。
主人公の家に関しては、ゲームの背景だけ見れば家の間取り図が書けるぐらい
それぞれの部屋の繋がりもしっかり描かれてて、見てて面白かったですね。
(ある一つの部屋の場面でも、入り口の向こうや窓の向こうが描かれているので隣りがどの部屋かわかる)
イベントCGは差分・立ちグラ抜いて127枚、HCG率35%。イベント数は20。
シナリオが長い割に、意外とCG少なかったんですね。
でも文句を言う点が特に見つからなかったので満点評価☆

■システム ・・・8点
オーソドックスな選択式ADV。
ですが、とにかくシステムが使いやすいです。
マウスを全く使わずともプレイできるのはとても良い!
テキスト送りがキーボード対応してるのは多いですが(私は、最低この機能を搭載してないと不満です)
オートモード切替、セーブ、システム画面呼び出し、バックログ表示、ゲーム画面復帰等すべてキーボードで操作が可能。
選択肢後のスキップ継続も忘れてません。
スキップも速いので、共通部分はあっという間に再プレイできました。
操作面は以上の通り申し分なし。
足りないのはエンディング鑑賞・前の選択肢に戻る といった、エロゲ界全体でもあまり見かけない高度(?)システムぐらいかと。
画面効果に関しては特に目立つ効果はなく、至って普通という感じでした。

セーブ数は標準80と、クイックセーブ3。
ゲーム内日付、セーブ日付・時刻記録、サムネイル付き。困ることはありません。

誤字脱字が所々に見られますが、パッチ当てれば直ると思います。(私は当ててません;)

■音楽 ・・・7点
イメージテーマ『Lapis Lazuli』は、起動時に流れるPVで流れる他、作中でもいろいろとアレンジされて頻繁に流れるので見事に主題歌として頭に刷り込まれました。テンポがよくて(←原曲)結構好きです。
ムービーが2本収録されており、先ほど述べた起動時PVとゲーム中に見られるオープニングムービーとあるんですが、私は映像も含めて前者の方が好きです。なので、起動時に気楽に見れて嬉しい(笑)
BGMは特記なしといった感じです。ポップなゲーム音楽系と、しっとり聴かせるピアノ曲が多いです。その他、盛り上がる場面ではオーケストラ曲など。総曲数は42(アレンジ含む)と多め。

■総評 ・・・9点
ギャルゲーとして完成された作品だなと思いました。
特に変わったキャラ設定もなく、絵柄も万人に受け入れられる感じ。
システムはオーソドックスなADVで、驚くようなシナリオ展開もありません。
けれども手抜きの部分がなくて、シナリオはじっくり読ませてくれる。
こういった作品が増えればいいなと正直に思います。
コンシューマ移植されてもしっかり成り立つ作品ですね。

思いっきりどーでもいいんですが、ゲーム名の英訳『Brighter than dawing blue』がすごく好きです(笑)
敢えて直訳ではなく、響きの綺麗な英訳になってますよね〜*
ちなみに「夜明け前より瑠璃色な」の意味がわかるのは、ゲームの最後の最後です。
この作品が、壮大なテーマを扱っていたことを実感しました。

■お気に入りキャラ:フィーナ、菜月
            フィーナはとりあえず外せません。彼女のためにあるゲームですから。
            プレイ前、お姫様というと「世間知らずかわがまま」(←どちらも、私はあまり好きじゃない属性)だと思ってたんですけど、フィーナにそんな要素は全くありませんでした。とにかく真面目で、聡明な姫。フィーナシナリオは、彼女が「できた姫」だからこそ成り立つお話でした。各ヒロインのシナリオでも、要所で大切な助言をするのがフィーナな辺り、やはりこれはフィーナなしではありえない作品だったでしょう。
            菜月はありがちな幼なじみキャラなんですけど、明るくて可愛かったです。主人公のことを一番わかってるのは彼女という感じ。菜月シナリオが一番共感できて面白かったです

2006.01.07

戻る